吉村昭×記念日

8月

8月3日 はちみつの日×『蜜蜂乱舞』昭和62年 新潮文庫 蜜蜂乱舞
昭和60年、日本養蜂はちみつ協会と全日本はちみつ協同組合が、「8(はち)3(みつ)」という語呂合わせから制定。『蜜蜂乱舞』は養蜂を生業とし、花を求めてトラックで旅をする一家の姿を描いた作品。
8月4日 田野畑村名誉村民授与×『星への旅』昭和49年 新潮文庫 星への旅
吉村昭に田野畑村名誉村民の称号が贈られた日(平成2年)。岩手県下閉伊郡田野畑村の風光と村民の温かい心を生涯愛した吉村。夏には家族と共に訪れ、村民と親交を深めた。この地を舞台に『星への旅』や『三陸海岸大津波』『梅の蕾』などを執筆した。
8月8日 日本きくらげの日×「茸採り」『昭和歳時記』平成8年 文春文庫 昭和歳時記
きくらげは「木耳」と書き、耳の形が数字の8に似ていることから8月8日を「日本きくらげの日」に制定。「茸採り」は吉村が結核療養中、奥那須で目にした茸採り名人とある男のエピソードを綴った随筆。
8月10日 健康ハートの日×『消えた鼓動』昭和61年 ちくま文庫
昭和60年に日本心臓財団と厚生省(現在の厚生労働省)が日本心臓財団の創立15周年を記念して制定。吉村は、心臓移植を取り扱った本作を「考え、書いたこと」が、自らの「死生観」にもつながっていると述べている。
8月10日 ポーツマス会議開始の日×『ポーツマスの旗』昭和58年 新潮文庫 ポーツマスの旗
日露講和会議の全権を任された外相小村寿太郎を主人公に、講和をめぐる日露の談判と決裂の危機、劇的な講和の成立を、両国の外交術や組織力を背景に描いた作品。
8月15日 戦没者を追悼し平和を祈念する日×『東京の戦争』平成17年 ちくま文庫 東京の戦争
空襲体験や戦時下の暮らしを綴った回想録。首都東京で戦争を体験した限られた人間として「庶民生活を書き残すのも、一つの意味があるのではないか」という思いで執筆した。
8月15日 戦没者を追悼し平和を祈念する日×『戦艦武蔵』昭和46年 新潮文庫
吉村昭は、18歳で終戦を迎えた(昭和20年)。敗戦を機に一変した日本人の態度・意識に違和感を持ち続け、自分が見た戦争は何だったのかを問い、戦争を通して人間の本質を探るべく、『戦艦武蔵』を発表した。
8月19日 俳句の日×『炎天』平成21年 筑摩書房 炎天
平成3年、正岡子規研究家の坪内稔典が「8(は)1(い)9(く)」の語呂合わせから制定した。吉村は長年俳句を愛好し、妻の津村節子や親しい編集者、画家と共に句会「石の会」を始めた。吉村の句や随筆が収録された作品。
8月24日 愛酒の日×「酒というもの」『私の好きな悪い癖』平成15年 講談社文庫 私の好きな悪い癖
今日は、歌人若山牧水の誕生日。牧水が愛酒家であったことから愛酒の日として定められた。吉村はお酒を好んだ作家で、この随筆には吉村のお酒との付き合い方が綴られている。