吉村昭×記念日

3月

3月2日 スーツを仕立てる日×「茶色い背広」『わたしの流儀』平成13年 新潮文庫 わたしの流儀
「スー(3)ツ(2)」と読む語呂合わせから。スーツを仕立てることで気持ちを高め、働くことに向き合ってもらう日。吉村お気に入りの茶色の背広は、仕立ててからなんと30年以上も着ていたそうだ。
3月11日 東日本大震災発生日×『三陸海岸大津波』平成16年 文春文庫 三陸海岸大津波
明治と昭和に三陸沿岸を襲った3度の津波を調査、取材し、災害の実態と人々の営みを記した作品。東日本大震災以降、後世への教訓に満ちたこの作品は広く注目を集め、震災後5年間で約25万部増刷された。
3月24日 桜田門外の変×『桜田門外ノ変』平成7年 新潮文庫 桜田門外ノ変
安政7年(1860)大老井伊直弼の暗殺事件が起きた日。執筆中、吉村は尊王攘夷論の実態をつかんでいないことに気づき、それまでの原稿252枚を焼却炉で焼いた。南千住の回向院には主人公、関鉄之介の墓碑が残っている。
3月27日 天狗党の乱×『天狗争乱』平成9年 新潮文庫 天狗争乱
元治元年(1864)の今日、水戸藩の尊王攘夷激派(天狗党)は、朝廷に尊攘の志を訴えるため筑波山で挙兵、京都を目指した。その悲劇の最期とは……。天狗勢が通過した地を入念に取材した吉村が描く、歴史長篇。
3月30日 身延線全線開通日×「身延線」『水の葬列』昭和51年 新潮文庫 水の葬列
昭和3年の今日、前身の富士身延鉄道は甲府から富士まで全線開通。「身延線」は吉村の実体験に基づく作品で、戦時中、最大の苦痛である空腹の中、少年が葡萄を味わいたい思いから、勝山に旅に出る話。