吉村昭×記念日

5月

5月1日 吉村昭の誕生日×『史実を歩く』平成20年 文春文庫 史実を歩く
今日は荒川区出身の小説家、吉村昭の誕生日。吉村昭といえば歴史小説、という方も多いが、その背後には徹底した資料調査、綿密な取材があった。『史実を歩く』は、取材エピソードを失敗談も交えて紹介した吉村作品の舞台裏を知ることができる1冊。
5月5日 端午の節句×『街のはなし』平成11年 文春文庫
吉村は年中行事を大切にしており、本作所収「松かざり」では、「今でも五月五日の夜には、私の家でも菖蒲湯をする」とし、「四季の行事を大切にし、それを孫子の代にまでつたえるのが、私たちの大事な仕事だ」と綴った。
5月9日 アイスクリームの日×『わたしの流儀』平成13年 新潮文庫
日本アイスクリーム協会が1964年に制定。日本人がアイスクリームを初めて食べたのは江戸末期で、そのおいしさに驚嘆したという。吉村も、死の直前には「ごく上等のアイスクリーム」を口に入れてもらいたいと記している。
5月14日 種痘記念日×『花渡る海』昭和63年 中公文庫 花渡る海
イギリスの医師ジェンナーが世界で初めて種痘を行った日。「花渡る海」は日本に初めて西洋式種痘法をもたらした水主・久蔵の波乱の生涯を描く作品。久蔵の出身地、呉市川尻町では、「花渡る海」原作の絵本と紙芝居が作成された。
5月19日 ボクシングの日×『孤独な噴水』平成8年 文春文庫 孤独な噴水
1952年、白井義男が日本人初のボクシング世界チャンピオンになったことに由来。本作は、主人公のボクサーが京成線新三河島駅近くのガード下に住む設定で、往時の荒川区の姿を窺い知ることができる。吉村初の長篇小説。