概要

 吉村昭の「羆嵐」は、大正4年(1915)に、北海道苫前郡苫前村の三毛別(現:苫前町三渓)六線沢で起きた熊害事件をモデルとして、執筆された作品である。この事件は、「三毛別羆事件」、「苫前羆事件」などど呼ばれ、日本史上最大の熊害と言われている。
 今回は、現在熊被害が多発していることから注目されている「羆嵐」を扱った展示を行う。
 吉村は随筆で、「「羆嵐」で書きたかったのは、土である」と述べている。痩せた土に耕地をひらき、羆が横行する事件の発生地から離れられぬ開拓民と、空襲にさらされ、死の危険に満ちた東京の町から離れられない吉村自身を重ね合わせて執筆した。
 展示では、吉村の著作をはじめ、取材ノートや、参考資料、三毛別羆事件をまとめた木村盛武氏と吉村が交わした私信などを取り上げ、その執筆過程を紹介する。
 

主な展示資料

・写真 自筆原稿「羆嵐」 原資料/苫前町郷土資料館蔵
・吉村昭『羆嵐』 昭和52年 新潮社 津村節子氏寄託資料
・吉村昭『熊撃ち』 昭和54年 筑摩書房 津村節子氏寄託資料
・自筆原稿「画期的な書物」 当館蔵
・木村盛武当て 吉村昭葉書〔「羆嵐」の執筆について〕 当館蔵
・木村盛武「獣害史最大の惨劇苫前町羆事件」 昭和39年 私家版 当館蔵
・「(「手首の記憶」他取材ノート)」 津村節子氏寄託資料
 

会期

令和8年1月16日(金曜)から3月18日(水曜)まで

【休館日】2月6日(金曜)、2月19日(木曜)

開館時間

9時から20時30分まで

会場

吉村昭記念文学館2階著作閲覧コーナー

入館料

無料