自筆原稿「動く壁」

会期

令和3年10月22日(金)から11月17日(水)まで

概要

 総理大臣の警護員(ボディーガード)として従事する警察官が、オートバイにはねられて死亡し、その葬儀の模様から物語は始まります。最も若いボディーガードに選ばれた男にとって、任務は名誉や自尊心を満たすものでした。一方で、早朝から夜中まで総理の“動く壁”となり、襲撃者の弾や刃を体で受け、死ぬ覚悟で当たる過酷な仕事でした。
緊迫する仕事のかたわら、服役中の夫を待つバーの女との情事が描かれ、ラストには多くの疑惑を残したその死の、意外な結末が見えてくる話です。
 「動く壁」では、男の上司が住む町として、荒川区の町屋が登場します。平成6年(1994)には緒形拳主演でドラマ化されました。