津村節子氏寄託資料

会期

令和7年7月18日(金)から11月19日(水)まで

概要

 この作品は、昭和20年(1945)7月、戦火から国宝級の仏像を守るため、奈良東大寺の法華堂で行われた仏像疎開を題材に、僧侶・玄照(げんしょう)の目を通して、戦時下における日本の文化、その在り様を描いた短篇です。
 タイトルの「焔髪」とは、髪が逆立ち、炎のようになった形を表します。作中では、金剛力士像(阿形像)の焔髪を指しています。
 吉村は、資料調査に基づき、本作を執筆しました。文部省から、仏像疎開についての通達を受け、前例の無い事態に直面した寺の関係者が、伝統を重んじながらも、協議を重ね、戦時下における世の変化に対応するさまを描いています。また、疎開先へ、仏像を運ぶ作業に従事する囚人たちや、象徴的な阿形像の姿を、丹念に描き出しています。