当館蔵

会期

令和6年11月22日(金)から令和7年7月16日(水)まで

概要

 夫婦作家であるが故のエピソードを記した随筆。
 吉村と津村節子は、学習院大学の文芸部で出会い結婚。若かりし頃は、同人として互いの小説を読んでいたが、いつしか互いに読む事をやめるようになった。
 吉村は、度々随筆で、津村について語っている。随筆「健気な妻」では、「果して彼女を妻にしてよかったのかどうか、しばしば自問自答する。―中略―不満と言えば、むろん彼女が小説を書くことだ。が、それは、彼女を妻にした私の宿命だと思って諦める以外にない」(『蟹の縦ばい』昭和54年、毎日新聞社)と記す。しかし、平成13年に津村が眼を患った際には、知人との電話で、「あの人は小説家です。目が見えなくなったら僕はどうしよう」(DVD『小説家 吉村昭』平成29年3月)と執筆活動に影響が出ることを案じていた。
 小説家であること、夫婦であること、深い尊敬と思いやりがお互いの生活のベースにあった。