自筆原稿「瑠璃色の石」

会期

令和3年10月22日(金)から11月17日(水)まで

概要

 「茜色の戦記」「星祭りの町」に続く、津村節子自伝的小説の三作目となります。学習院大学文芸部で吉村と出会ってから、夫婦ともに同人雑誌で研鑽を積み、作家として世に出るまでを描いています。
 「瑠璃色の石」というタイトルは、津村(私)が学習院短期大学を卒業した際、吉村(高沢圭介)から贈られたネックレスから取られています。
主人公周辺の人物のみ仮名として、同人誌名や当時交流のあった作家などは実名で描き、リアリティが増しています。女性、妻、母、そして作家として生きる自らの姿と心情を、冷静さを保ちながら描いています。茫洋としたラストシーンに、未来に対する当時の心情をうかがい知ることができる作品です。