自筆原稿「生麦事件」

会期

令和3年8月20日(金)から9月15日(水)まで

概要

 文久2年(1862年)、横浜郊外の生麦村で大名行列に遭遇・闖入(ちんにゅう)したイギリス人を薩摩藩士が惨殺した事件が発生。前代未聞のこの事件は、その後イギリス、幕府、薩摩藩の思惑を絡めながら幕末動乱、徳川幕府の瓦解(がかい)、そして明治維新に至る歴史の激流を産み出す契機となっていきます。吉村は丹念な取材と歴史資料の綿密な調査によってこの小説を書き上げました。
 薩摩藩を中心に明治維新が成立したのは、薩英戦争の戦訓が要因であり、その戦争は生麦事件が発端であったことを読み解き、吉村は事件が幕府倒壊に極めて重要な意義をもつ出来事であったと考えました。その偶然の事件と、歴史の不思議さに興味と興奮をおぼえて、小説執筆に至ったと語っています。