茨城県立図書館蔵

会期

令和4年3月18日(金)から4月20日(水)まで

概要

 安政7年(1860)3月3日、水戸・薩摩藩の浪士らが大老井伊直弼を暗殺した事件を描いた長篇歴史小説です。暗殺の襲撃現場を指揮した水戸藩士・関鉄之介を主人公に据えて、暗殺から逃亡、捕縛までを克明に描いています。
 茨城県立図書館で事件関連資料の一覧表をもらい受けた吉村は、浪士たちの潜伏先を実際に訪れ、現地踏査や資料収集を丹念に行いました。史実を見直し、水戸藩で尊王攘夷論がうまれたのは、鹿島灘の長い海岸線に外国船が上陸する強い危機感から興った、との考えに至りました。吉村は大幅な削除や加筆を繰り返し、原稿を書き上げました。
 この作品は、事件から150年目の平成22年に、茨城県の市民団体による『桜田門外ノ変』映画化支援の会が中心となって映画化されました。ゆいの森図書館ではDVDの貸し出しをおこなっています。原作と映画版とをぜひ比べてみてください。