自筆原稿「ポーツマスの旗」

会期

令和3年9月17日(金)から10月20日(水)まで

概要

 日露戦争における日露講和会議の全権を任された外相小村寿太郎を主人公に、日露の談判と決裂の危機、劇的な講和の成立を、両国の外交術や組織力を背景に描き、戦時における群衆心理の異様さも浮かび上がらせた作品です。
 日露講和条約は屈辱外交として大いに非難され、小村は帰国後も批判にさらされます。しかしながら実は妥当な条約成立であったと知った吉村は、小村寿太郎を視点に自分なりの探求を試みたいと考え、執筆準備に入りました。現地ポーツマスを訪れ、会議室の床板、小村の座った椅子を実際に眼にし、帰国したのち調印の際のインク壺を手にとったことで、史実を実感として感じとることができたと語っています。

 ※掲載箇所は、いよいよ本会議が開かれ、日本・ロシア双方の出席者が着席して握手を交わす場面です。