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おしどり文学館協定 荒川区・福井県合同展示 第11回トピック展示 吉村昭が描いた天狗党―「動く牙」と「天狗争乱」福井の旅―

 平成29年(2017年)11月5日に、吉村昭記念文学館と福井県ふるさと文学館は、おしどり文学館協定を締結しました。この協定は、区出身の作家・吉村昭氏と、妻で福井県出身の作家・津村節子氏の「おしどり夫婦」になぞらえて締結したものです。
 おしどり文学館協定に基づき、今回のトピック展示では、福井を舞台とする吉村作品から、「動く牙」と「天狗争乱」を紹介します。この2作は、元治元年(1864年)に起きた天狗党の乱を題材に、世の中に取り残されていく尊王攘夷派を描いた歴史小説です。
『 磔』『天狗争乱』
(左)「動く牙」を収録した『磔』(昭和50年 文藝春秋)
(右)『天狗争乱』(平成6年 朝日新聞社)
<展示風景>
エントランス展示(1)著作閲覧コーナー展示ケース(1)著作閲覧コーナー展示ケース(1)ケース内著作閲覧コーナー展示ケース(2)ケース内

「尊王攘夷思想は、当時、全国の有能な人々に強烈な影響をあたえたが、それは時間の流れとともに変形し、消えていった。その中で天狗勢のみは、信奉の姿勢をくずさず、それが悲劇となったと言うべきである。」 (吉村昭「あとがき」 『天狗争乱』 平成6年 朝日新聞社)

 昭和49年(1974年)12月、吉村昭は歴史小説「動く牙」(「別冊文藝春秋」第130号 文藝春秋)を発表しました。元治元年(1864年)に起きた天狗党の乱、その終焉に焦点を当て、現在の福井県大野市と敦賀市を舞台に描いた作品です。
 この作品を執筆したきっかけは、昭和40年頃、敦賀を旅した際に水戸浪士勢の墓を見た体験でした。その後、『西谷村誌』など、大野藩に侵入した天狗勢の記録を調査した吉村は、執筆を決意し、昭和49年秋、再び福井で取材を行いました。大野市では、雪深い山間部を車で訪れ、ゆかりの人物に取材し、丹念な調査を重ねました。調査と、取材を通して得た強い実感をふまえて、天狗勢の悲劇的な最期を描いています。

 「動く牙」発表から16年後の平成2(1990)、吉村は、水戸脱藩浪士による大老井伊直弼暗殺事件を描いた『桜田門外ノ変』(新潮社)を刊行しました。水戸で興った尊王攘夷思想を、より深く理解するためには、この事件の後に起きた天狗党の乱を書く必要があると考えていたことから、「天狗争乱」の執筆に着手します。天狗勢が通過した各地を取材し、郷土史家や研究者と出会い、収集した資料を入念に調査しました。そして、天狗勢の田中愿蔵隊が、栃木町を襲った事件から書き出すことを決め、平成410月から1年にわたり、朝日新聞で連載しました。尊王攘夷を掲げて筑波山で挙兵した天狗勢が、幕府の追討軍と戦いながら下野、上野、信濃、美濃を経て、越前に至る過程を克明に記し、敦賀で迎えた最期の姿を掘り下げています。大幅な加筆改稿を経て、平成6年に単行本を刊行し、大佛次郎賞を受賞しました。

 今回の展示では、福井をはじめ、天狗勢ゆかりの各地で収集した資料や旧蔵書の書き込みをたどります。また、自筆原稿や、自筆取材ノートも展示し、天狗勢の最期をどのように描いたのかを紹介します。

会期

令和2年9月18日(金曜)~12月16日(水曜)

午前9時30分~午後8時30分

休館日

 10月5日(月曜)から10月9日(金曜)は特別整理休館。10月15日(木曜)、11月19日(木曜)、12月4日(金曜)。
*10月3日(土曜)、10月4日(日曜)、10月10日(土曜)、10月11日(日曜)は資料整理のため、2階著作閲覧コーナー(トピック展示会場)のみ利用できません。ご了承ください。

会場

吉村昭記念文学館 2階 エントランス、常設展示室 著作閲覧コーナー

問合せ

ゆいの森あらかわ 吉村昭記念文学館
〒116-0002荒川区荒川2-50-1
TEL 03-3891-4349Fax 03-3802-4350


掲載日 令和2年9月20日 更新日 令和2年10月20日
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