会期:令和3年3月24日(水)
-5月23日(日)

●開館時間/9:30~17:00(常設展示は20:30まで)

●休館日/毎月第3木曜日・特別整理期間・保守点検日ほか

●入館料/無料

●会場/ゆいの森あらかわ 3階 企画展示室

※新型コロナウイルス感染症拡大状況により、開催日時等を変更する可能性があります。

 このたび吉村昭記念文学館では、令和2年度企画展「吉村昭 医学小説―伝染病予防に奔走した人々―」を開催いたします。
 現在の荒川区東日暮里で生まれた小説家吉村昭は、21歳のころに持病の肺結核が重症化し、命の危険を伴う大手術を受けました。この闘病体験は、吉村作品の主題「死とはなにか、生とはなにか」に深く関わるとともに、医学に関する小説を執筆したきっかけでもありました。
 本展では、「雪の花」「北天の星」「破船」「花渡る海」など、コロナ禍においても注目を集めた天然痘に関する作品について取り上げます。中でも、江戸時代に死病と恐れられた天然痘の予防に奔走した人物、笠原良策・中川五郎治・久蔵に焦点を当てて紹介します。彼らの生涯を吉村がどのように迫り描いたのか、自筆資料、旧蔵書、調査・取材資料からその軌跡をたどります。また、「花渡る海」がきっかけとなり、久蔵の故郷にある呉市立川尻小学校の関係者によって制作された「川尻浦久蔵」の紙芝居と絵本も展示します。

撮影:小澤忠恭

小説家 吉村昭Akira Yoshimura

昭和2年(1927)~平成18年(2006)
東京府北豊島郡日暮里町大字谷中本(現荒川区東日暮里六丁目)生まれ。空襲で家が焼失するまでの18年間を荒川区で過ごす。学習院大学在学中に執筆活動を開始。昭和41年に「星への旅」で太宰治賞受賞。同年、「戦艦武蔵」を発表しベストセラーとなる。「死とはなにか、生とはなにか」を主題に、人間の本質を探究し、数多くの短篇と長篇を執筆した。

【受賞歴】
太宰治賞、文藝春秋読者賞、菊池寛賞、吉川英治文学賞、毎日芸術賞、読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞、大佛次郎賞、海洋文学大賞特別賞、高野長英賞、日本芸術院賞、東京都都民文化栄誉章、荒川区区民栄誉賞、従四位旭日中綬章

[謝辞]
本展覧会の開催に際し、格別なご協力を賜りました関係者各位ならびに関係機関に深く感謝申し上げます。
※掲載した資料の著作権については極力調査を行いましたが、お気づきの点がございましたら当館までご連絡ください。

〒116-0002 東京都荒川区荒川二丁目50番1号(ゆいの森あらかわ内)
TEL 03-3891-4349 FAX 03-3802-4350
https://www.yoshimurabungakukan.city.arakawa.tokyo.jp

都電荒川線(東京さくらトラム)荒川二丁目(ゆいの森あらかわ前)下車徒歩1分
東京メトロ千代田線・京成線町屋駅下車徒歩8分
コミュニティバスさくらゆいの森あらかわ下車(土日祝のみ)